確かに螺旋階段の下から
スパイシーな匂いが漂ってきたのは
ぼくがそこで一曲歌い終わる頃だった。
火曜日のM'sスペース
雨が降り始めた夜に
いつもぼくらは手探りで何かを探してる。
君の好きなものってなんだっけ?
僕たちが分かち合えた物ってなんだっけ
アンタはいつもの切り口で声を掛けてくる。
ああ、そんなに時間は空いてないけど
わざとらしい感じも別にしないね。
久しぶり。
見上げていたのは月
なんかじゃない。
君の大きな瞳
いま少しだけ考えてることは
ぼくが居なくなったあとのこと
それはまぁどうでもいいんだけどね。
ぼくはぼくであるために
唄をうたう。
時にそれはひどく無様なものかも
形にならず声にもならず
いつしかそれのせいで
見失うこともある
探せ。探せ。
答えのない闇の中で。
君の声だけが頼り。
月明かりとギター
旅路はいったいどこまで。
その先はいったいどこへ。
僕らはロックバンドが好きなだけであった。
ただそれだけだった。
そしてぼくは大きく息をのんで
ジャンプするんだ。
君がいつか夢を見れなくなっても
ぼくはせめて夢を見ていようか。
ぼくらは少年少女のまま。
手紙の返事は手紙で返すよ。
字を書くのは苦手だけどね。
さて、ぼくの生活は
ぼくのロックのために
全てを差し出してやろう。
笑える奴は笑えばいいさ。
おやすみ。
追記
歌い終わってすぐに我慢してたビールを将太さんに頼んだ。
バドワイザーはもうとっくの昔に置くのやめたって。
仕方ないからクラシックを。
いつも置いてあったじゃんか。
またいつか置いてほしいな。
俺の部屋にはバドワイザーの空き瓶が置いてある。
1年半くらい前だな。
朝起きたらあったんだ。
飲み過ぎちゃったかな。
前の日に飲んだtabibitoキッチンの
バドワイザーの空き瓶が
なぜ俺の部屋に転がってるんだ?
そう思いながら
そっとストーブの上に飾った。